2011年08月16日

古民家再生物語 49 陰影礼賛 建具制作@

2011年1月27日〜

古民家の和の風情を出すと同時に機能的な意味合いから原則として全ての窓に障子を設置する設計にしました。

和の風情でいえば谷崎潤一郎の名著「陰影礼賛」に深く共感します。

DSC_8083.JPG

和紙を経て拡散して入ってくる光の陰影、和み、柔らかさ。

目に優しいと同時に心を平穏にしてくれます。

機能的には、和紙で作った障子はペアガラスサッシと併用することで驚く程の断熱効果を発揮します。

これは私自身今までいろんな形体の住居で暮らしてくる中で、カーテン、アルミサッシ、ペアガラスサッシ、障子、紫外線防止シート等など試行錯誤をしながら使ってきた体験的結論です。

現在の日本で多く使用されているアルミサッシは実は熱伝導率が高く断熱効果はあまりありません。

カーテンは空気の循環を促進しかえって断熱性を低減します。

今回の再生では断熱性の高いペアーガラス木製サッシ(ドイツ製)を使用しています。

断熱的にはある意味ではこれで十分かもしれません。

しかし、前述したようにここに和紙障子を併用すると空気層がさらに加わり格段に断熱性が高まります。

そして「美」的にもなるのです。

DSC_8085.JPG

さてさて、前置きが長くなりましたが本題の障子の制作です。

今回の古民家再生では窓の数が多いことに加え、大型のドアなどもあり、さらにはドイツ製のペアーガラスの思いもかけないトラブルというか、制約があり四苦八苦しました。

まず発生した問題は、大型ドアに設置する建具を作るにあたって、建具屋さんが今まで作ったことがないから出来ないと断ってきたことでした。

この経緯については少々長くなりそうなので次回に期すことにしましょう。

☆関連記事:古民家再生物語 33 参照






posted by wa at 15:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 古民家再生

古民家再生物語 48 ユニークな床の間

2011年1月27日

古民家再生の建築デザインに加わっている息子「創(はじめ)」は、金属造型作家です。

今回の古民家再生のユニークな試みの1つは、彼の創る作品を家の各所に取り入れる計画です。

まず、欅の間の床の間にチャレンジしてくれました。

DSC_4894.JPG

友人の工房で作品作りが始まっています。

DSC_5304.JPG

DSC_5308.JPG

さてさて、どのような作品が創り出されてくるか?

楽しみです!!。

DSC_5217.JPG

試作品が出来上がってきました。

鉄に濃褐色の特殊な腐食色つけがされ、照明が内蔵された床柱が出来上がってきました。

また、背後の階段下の空間を生かし、その空間を黄金色のR型に曲げられたアルミで大胆に切り取るデザインです。

面白い作品です。

行程上での時間余裕が無く、夜間現地での取り付け作業です。

DSC_5464.JPG

DSC_5467.JPG

取り付けが完成し、待機していた左官伊藤忍さんが砂鉄を混ぜた黒漆喰を塗り込んでいきます。

DSC_5483.JPG

DSC_5487.JPG

大工&左官&金属造型作家三者のコラボレーション作品完成間近です。

DSC_5495.JPG



posted by wa at 14:11| Comment(2) | TrackBack(0) | 古民家再生

古民家再生物語 47 配管工事

2011年1月27日

配管工事開始。

DSC_5444.JPG

DSC_5316.JPG

DSC_5312.JPG

DSC_5455.JPG

DSC_5313.JPG


屋内の配管作業も同時に施行されていきます。

DSC_5235.JPG

DSC_5325.JPG



posted by wa at 13:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 古民家再生

古民家再生物語 46 外観造作

2011年1月19〜21日

外壁周辺を取り囲む石の搬入が始まりました。

DSC_5106.JPG

DSC_5102.JPG

この土地から掘り出された石も使えるものは有効活用します。

DSC_4996.JPG

同時に腰板の造作も始まりす。

DSC_5133.JPG

DSC_5189.JPG

腐食防止の塗装も同時並行的に進みます。

DSC_5791.JPG
posted by wa at 12:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 古民家再生

古民家再生物語 45 土間

古民家再生物語、生来の怠け者に加え何かと雑務に追われ長い間更新できませんでした。

再生中の古民家がこの春ようやく完成し住み始め、少し落ち着いてきました。

再生のプロセスを忘却せぬうちに、物語の続きを書き、なんとか完成までたどり着きたいと思います。


2011年1月9日

今回の再生では元の古民家に一部変更を加えています。

その1つが土間の拡大です。

この土間は当面は玄関入口のスペースとしての用途ですが、
将来的にはギャラリースペースやイベントスペースとしても使用したいと考えています。

そんなことで、スペースの拡大とともに、目的に適うような素材選びや空間デザイン、照明などに工夫しました。

土間の素材は当初から石を使う予定でいましたが、なかなかイメージ合う石が見つからず苦労しました。

DSC_4682.JPG

いろんな石を探し、実物を視察しようやく南米産の「クオーツブラック」という石にたどりつきました。

DSC_5210.JPG

写真では一見玄晶石に似ていますが、玄晶石より色は黒く硬質で荒削りです。

この石を貼っていただいた渡辺タイル工業代表の渡辺充さんです。

DSC_6065.JPG

ちょっと扱いにくい石だったようですが見事に施工していただきました。

DSC_4932.JPG

DSC_4942.JPG

DSC_4925.JPG
posted by wa at 12:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 古民家再生

2011年02月18日

古民家再生物語 44 黒漆喰塗

2011年1月17日(月)

正月仕事始めに始まった建物内部の木部塗装が終わると同時に、建物内部壁面の漆喰塗りが始まりました。

左官はこの道50年の伊藤忍さん(67歳)

DSC_4916.JPG

DSC_5168.JPG

丹念にユッタリとしかし着実なペースで塗っていきます。

DSC_4892.JPG

壁面スペースがかなりあるので、全てを塗り終えるには2週間位はかかりそうです。

さて、壁面はおおむね白漆喰ですが、1階の床の間と一部の壁面は黒漆喰にします。

黒漆喰は通常漆喰に松煙か墨等を混ぜて造作することが多いようですが、今回の古民家再生では特殊な手法を使います。

DSC_5163.JPG

野沢棟梁が考案した「砂鉄」を混入する手法です。

黒漆喰塗りが始まります。

DSC_5157.JPG

まず、下塗りです。

DSC_5174.JPG

DSC_5178.JPG

下塗りが乾いたら本塗りに入ります。

完成しました。

実に重厚でシックな出来上がりです。

見事です。

DSC_5328.JPG

この黒漆喰は砂鉄の変化とともに年月が経るほど味わいが増すことでしょう。

楽しみです。
posted by wa at 18:23| Comment(1) | TrackBack(0) | 古民家再生

2011年02月11日

古民家再生物語 43 新年仕事始め

2011年(平成23年)1月6日(木)快晴

新年を迎え、今日は仕事始めの日です。

今日も現場は快晴。

DSC_4757.JPG

富士山の姿が美しく見えます。

現場玄関に気持ちばかりの年賀飾りをし、無事竣工を祈ります。

DSC_4871.JPG

DSC_4873.JPG

玄関で新年の記念撮影です。

DSC_4810.JPG

普通の会社や役所の仕事始めは挨拶だけで午前中でおしまいというケースが多いようですが、ここ現場では初日からフル活動。

室内に組まれた足場での高所の塗装や居室の塗装が今日のメイン行程です。

DSC_4852.JPG

DSC_4818.JPG

室内塗装に入っている職人さんは、昼食後車内で仕事疲れを癒すため爆睡中。

DSC_4767.JPG

いや、仕事疲れというより正月のお神酒の呑み疲れかな?

ともあれ、今年も無事故で工事が進み、完了しますように。

DSC_4789.JPG
posted by wa at 17:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 古民家再生

2011年01月13日

古民家再生物語 42 仕事納め

2010年12月28日(火)晴れ

古民家再生に終始した2010年も残り少なくなってきました。

今日は仕事納めの日です。

DSC_4702.JPG

本日も快晴冬日。

あの猛暑の夏を少し回して欲しいと思わず言いたくなるような今朝の寒さですが、キリッと気持ちが引き締まる天候でもあります。

ところで

今回の再生工事当初計画では10月末に完成の予定でしたが、「急ぎ働きはしない」をモットーにしてきたためか工期は大幅に遅れてしまい、いまだ未完成。

このペースだと取り敢えず住めるようになるのは来年の春頃になりそうです。

しかし、今造作中の古民家再生家屋は「少なくとも100年から200年は住める家であって欲しい」と思いスタートしました。

ですから、創る方も焦らずユッタリと楽しみながらやっていこうと思います。

DSC_4711.JPG

この1年、現場では野沢棟梁以下皆さんには実に「良い仕事」をしてきていただきました。

アノ骨董鑑定師中島さんからも「いい〜仕事していますね〜!」と声がかかるのではないでしょうか!。

感謝!感謝!感謝!のひと言、いや三言です(笑)。

行き違いによる若干のトラブルは発生しましたが、無事故で仕事納めを迎えられたことは何よりのことです。

来年も引き続きこのペースで進めていき完成できればと思います。

さて現場では仕事納めとはいえ皆さんの仕事ぶりはいつもと変わりなく着実に続いています。

皆さん!良い年をお迎えください!!。

DSC_4722.JPG







posted by wa at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 古民家再生

2011年01月10日

古民家再生物語 41 神代欅製材

2010年12月23日(木)快晴

今日は今回の古民家再生工事のエポック的な一日になるかもしれない日です。

というのは、9月下旬上越の市村さんから譲っていただいた「神代欅」をいよいよ製材する日を迎えたのです。

DSC_4333.JPG

製材していただくのは勝沼にある塩野木材(株)の塩野正実さんです。

DSC_4336.JPG

DSC_4474.JPG

塩野木材はもともと林業を営んでいたそうですが、先代が戦後製材所を始め、塩野さんは2代目です。

この日も清々しい快晴。

横浜から山梨に向かう途中の初狩パーキングで素晴らし雪景色の富士山が見えました。

DSC_4329.JPG

貴重な木を製材するにはまことにもってふさわしい天気です。

余談ですが、

私が古民家再生の用事で山梨を訪れるのは今年は今日で35回目になります。

思い返すと何故だか何時も晴天に恵まれています。

ちなみに、私は天気予報に合わせて来ているわけではありません。

打ち合わせや撮影のために予め立てたスケジュールや工事日程に合わせて訪れているのです。

ですからおおむね天気が良かったのは偶然、巡り合わせです。

まぁ一部予報に合わせて訪れた日もありましたが(笑)。

有難いことです。

「俺はやっぱり晴れ男なんだなぁ〜」「天も古民家再生工事を祝福してくれているんだ」と、いつも勝手に一人合点して喜んでいます。

横道から本題に戻します。

神代欅の製材です。

製材機には長さ7〜8mもある帯状のノコギリがセットされます。

DSC_4500.JPG

DSC_4426.JPG

DSC_4498.JPG

DSC_4356.JPG

まず、火棚を作る材料を取るために柱に使われていた欅の古材をから製材します。

どのように面取りをするか慎重に打ち合わせをします。

DSC_4374.JPG

製材にとりかかります。

DSC_4370.JPG

DSC_4452.JPG

次に梁に使用されていた欅の古材を製材します。

DSC_4541.JPG

DSC_4532.JPG

この古材は板戸作成に使用する予定です。

何本かの柱材や梁を製材した後、いよいよ神代欅の出番です。

以前にも記したように、「神代杉」はまま市場に出てくるらしいのですが、「神代欅」というのはまずもって出てくる事は無く極めて珍しいものらしいのです。

今回作業をしてもらっているこの道何十年のプロの面々も今まで話には聞いていたが見るのは初めてといいます。

無論、それを製材することも・・・!!。

はたしてどんな木肌が出現するのか!?

期待通りの木肌が出現するのか??

一方で、切ってみたら風化したボロボロの材でしかなかった、ということもあり得ます。

事前打ち合わせには野沢棟梁も加わります。

DSC_4569.JPG

作業場に緊張感が漂います。

何万年か何千年間、地中に埋もれていた神代欅にノコギリの刃が入ります。

緊張の一瞬です。

DSC_4562.JPG

DSC_4563.JPG

DSC_4581.JPG

DSC_4577.JPG

見事ないぶし銀のような木肌が現れました。

DSC_4589.JPG

ちょっと凄みを感じさせる実に渋い色です。

3人のプロはジッと木肌を見つめ「ムー」と唸るばかりでしばらく言葉がありません。

DSC_4590.JPG

そして塩野さんがぽつりと

「凄い!。こんな欅を製材出来るのはもう二度と無いだろうな!!」

そして

「古民家再生にはもったいない」

と・・・。

私は内心「古民家再生にこそふさわしい!」と思ったのですが敢えて口にはしませんでした。

ともあれ、本当に良い仕事を見せていただきました。

私は製材を目近かに見たのは初めてだったのですが感動しました。

感銘しました。

仕事をやり終えて神代欅を挟んでの記念撮影です。

DSC_4595.JPG

皆さん神代欅に負けぬ実に良い表情です。

posted by wa at 14:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 古民家再生

古民家再生物語 40 足場取り外し

2010年12月17日(金)晴れ

師走に入り、年の瀬の気ぜわしい時期になってきました。

しかし、ここ再生現場には何時ものようにユッタリとした時間が流れているような気がします。

外はかなり寒さが厳しくなってきましたが快晴です。

肌にピシッ!とした冷気を感じますが、太陽の暖かい陽射しが有難い一日でした。

ところで、

今日は外壁漆喰塗りが終了し、いよいよ足場を取り除く日です。

そして、取り外した足場は今度は屋内で組み立て高所の塗装や漆喰塗りの作業に使われます。

DSC_4088.JPG

DSC_4094.JPG

また、今日は久しぶりにベンクス氏が現場に入りました。

トラブルのあった木製サッシの善後策を打ち合わせするためです。

観音開きサッシにどのように障子を取り付けるかです。

DSC_4102.JPG

野沢棟梁から興味深い提案があり、その案を採用することになりました。

従来の形体に捕われないユニークな障子になりそうです。

取り付けてみないと最終的な評価は出来ませんが、意外性がありおもしろい室礼になることが期待出来ます。

「災い転じて福となす」

になりそうです。

さて。

足場を取り外した外観が現れました。

DSC_4173.JPG

DSC_4168.JPG

まだ腰板が付いていませんがすっきりした外観になりました。

DSC_4164.JPG

当日は、隣の葡萄畑でK氏夫妻が剪定の作業中でした。

DSC_4162.JPG

翌年の豊かな実りの為の準備ですが、お聞きすると、雪が降る前に剪定し枝が折れるトラブル回避の意味もあるとのことでした。
posted by wa at 12:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 古民家再生