2012年01月24日

古民家再生物語 59 キッチンアイランド

2011年3月22日

壁面のキッチン作業台が完成した後、アイランドキッチンの作成に取りかかります。

キッチンを作っている空間は元の古民家では玄関と土間であった場所です。

台所として使用するにはかなりな広さがあります。

ですから窓際にL字型に設置した作業台だけで大きさとして十分です。

ただ、部屋の真ん中に柱があり、その柱をそのまましておくのはちょっと空間的に違和感があります。

そこで台所作業で使うと同時に食卓としても使用できるアイランドキッチンを柱を囲むように造作することにしました。

男としては料理を作るのが好きな方ですから楽しいキッチンになりそうで楽しみです。

卓上に使う木は元の古民家の書院床の間に使われていた厚い欅の材を転用しました。

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楠さんと早川さんが慎重に材料取りをしていきます。

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柱を中心にして組み立てられていきます。

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アイランドにもシンクを設置する為、配管工事も行います。

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欅の表面はまず機械で荒削りしその後丁寧に鉋がけされます。

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樹齢3、400年の欅材で、加えて100年前から使われいた古材ですが鉋がけするときれいな木目が浮き出てきて良い香りがします。

木は何百年経っても生きているんですね。

少しずつ丁寧に作業が進められ10日間ほどでアイランドは完成しました。

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素晴らしいキッチンが出来ました。

満足いく出来映えです。



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2012年01月12日

古民家再生物語 58 古民具探し

2011年3月

古民家再生の造作と並行して古民家にふさわしい調度品探しも必要でした。

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もともと骨董品や古民具が好きでしたから昔から少しずつ収集はしていましたが、今回のプロジェクトスタートにあたってはある程度まとまった数の家具や調度品が新たに必要になりました。

その調度品ですが、新品であれば割と早く調達可能ですが、古民家にふさわしいアンティーク家具をそろえるとなるとそう簡単ではありません。

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かといって、あせって買い求めてはつまらないモノを掴みかねません。

それにそんな買い方をしても楽しくありません。

まぁ、良いものに遭遇するまで気長に構えることにしました。

古民家街や古民家の撮影に全国に出向きます。

そうした旅先で骨董店や古民具店に飛び込んではモノを物色します。

私の旅の楽しみのひとつです。

そうした中で町田&八王子に良い古民具店を発見しました。

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「古福庵」です。

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品数も品質もそして価格もリーズナブルな店です。

京都や滋賀から出て来た明治時代の状態の良いアンティーク家具を幾つかわけていただきました。

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若くて美人の店長さんです。



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古民家再生物語 57 月見台デッキ

2011年3月17日

屋内の内装工事と同時に外部の月見台デッキの工事も始まりました。

このデッキの作成には反対の声もあったのですが、私にとっては絶対に必要なアイテムでした。

ちょっと大げさな言い方になりますが、誰が反対しようと必ず作ると心に誓っていたのです(笑)。

それも家の大きさに負けないかなりの大きさのデッキを!!

ある時、この思いがどこから来たのかとつらつら考えたことがありました。

記憶をたどって行くと中学生の頃図工の授業で行った桂離宮を思い起こしました。

そうだ、あの桂離宮の月見台だ、あんな台が家にあったら楽しいだろうなぁ、という印象が記憶の何処かに残っていたのでした。

桂離宮の月見台は池に向かって竹で風情のある雰囲気で作られていますが、こちらは山と街を見下ろす位置で古民家にふさわしい素朴なものにしようと考えました。

さて、工事が始まります。

まず大きさと設置位置を決め石場建てのための石を配置します。

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床材は水に強い外材の使用も検討しましたが、最終的にはヒノキの国産材を使用しました。

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野沢棟梁によるとヒノキは水にも強いしササクレしない、かつ補修するときに材料に困らないとの説明があり決定しました。

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脇棟梁の楠さんと大工早川さんが瞬く間に組み立ていきます。

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2012年01月11日

古民家再生物語 56 洗面所とトイレ

2011年3月17日

風呂の造作完了と同時に洗面所とトイレの造作が始まりました。

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工事に先立って洗面器、蛇口、ミラー、便器などを選ぶ為に各メーカーのショールームを訪れました。

当初簡単に決められると思っていたのですが、これが結果的に大変難儀しました。

トイレは世界に誇るウォシュレットトイレがあり比較的簡単に決定出来たのですが、洗面器、蛇口、小便器、収納ミラーなどはどのメーカーのショールームにいってもイメージに合うものがなかなか見つからないのです。

そのイメージというのは「シンプルでクラシックな雰囲気がベースにありかつモダンで飽きのこない」デザイン、というものです。

我ながらなかなか難しい注文ではあります。

やむなく海外のメーカーのものも調べました。

結果的に洗面所の洗面器と蛇口はドイツのDURAVIT製を、

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小便器はフランスのALLIAを選択しました。

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1階トイレ手洗い器は風呂に使用した伊豆石の残りでオリジナル洗面器を渡辺さんに作っていただきました。

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既製品に無いいい味がでていると思うのですがどうでしょうか?

それと洗面台にはアノ神代欅を使用しました。

なんという贅沢!!

こんなトイレは世界唯一でしょう(笑)!!。

2階トイレ手洗い器は旅先の岐阜で見つけた大きな陶器の盛り鉢に穴を空け、これまた野沢建設の資材置場に転がっていた欅の端材を分けていただき洗面台にし、取り付けました。

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収納ミラーはイケヤのパーツに無垢の杉板を貼ることで落ち着いた感じの仕上がりになりました。

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1、2階の洗面台下収開き戸には格子状の古建具を小さくカットして使用しています。

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2012年01月08日

古民家再生物語 55 雪景色

2011年3月7日(月)雪

牧丘地方には年に何度か雪が降るとのことです。

降ってもそんなに積もる事はなく、1、2日で溶けてしまうとのことです。

2月初旬にも少し降ったようですが生憎その時は現地にはいませんでした。

この日現地に行くと雪が降っていました。

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久しぶりに見る雪景色です。

都会に住む者にとってはたまの雪景色は嬉しいものです。

雪は半日で5、6センチ積もりました。

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雪の降る中、遠景で見る古民家再生はそれはそれでまた美しいものでした。

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夕刻には雪が降り止み、うっすらと積もった雪景色に夕陽が照り始めました。

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古民家再生物語 54 玄関敷石

2011年3月1日(火)小雨

3月になって徐々に暖かくなってきたとはいえ、冷たい小雨が降る一日。

今日は大仕事が朝から始まります。

玄関に大きな敷石を運ぶのです。

当初、敷石の計画はありませんでした。

しかし、野沢棟梁から再生古民家玄関の風格にあった石を敷いてはどうかとの提案をいただいたのです。

丁度適当な石が野沢建設の資材置き場にあるから好きなのを持って行っていいというのです。

現地に見に行くと、適当に持って行ってよいといっても巨大な石です。

ひとつ数dはあります。

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そう簡単には持っていけません。

少々迷いましたが折角の申し出なので有難くいただくことにしました。

資材置き場に古民家の古材を運搬した大型クレー車がきます。

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トラックに乗せ再生現地に運び込みます。

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現地玄関では巨石を埋め込む準備が始まります。

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再びクレーンでつり上げ玄関先に持って行きます。

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丁度良い場所にかつ水平になるように位置が決められていきます。

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事故がないよう慎重に仕事が進められます。

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一番大きなメインの石の設置が終わりました。

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次に中くらいの石を持っていきます。

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この石は現地の整地時に出て来た石の中から平面が平らな適当な石を選んで持っていきました。

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完成です。

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当初、石が大きすぎてアンバランスになるのではないかと危惧していましたがジャストフィットです。

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この大変な仕事、一日がかりくらいで行われるのかと思っていたのですが、なんと午前中で終了。

さすがプロの仕事は手際がよく感心しきりです。


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2012年01月07日

古民家再生物語 53 もう一つのこだわりのキッチン

2011年2月

風呂のこだわりに加え今ひとつのこだわりの設備があります。

キッチンです。

息子の創は今回の古民家再生プロジェクト進行と同時期に、

縁があってスコットランドにあるグラスゴーアートスクール等に

2年間客員アーチストとして留学していました。

グラスゴーアートスクールは建築や家具設計で有名なマッキントッシュが学び、教えていた学校です。

息子は海外生活の経験から合理的で使い勝手のよいキッチンを自分の設計施工でチャレンジしたい、と考えました。

参考に大手メーカーのシステムキッチンショールームも見て回りました。

いずれのショールームにもいろいろと工夫されたキッチンが展示されていました。

しかし価格を聞くと驚くような高額です。

この価格ではとてもじゃないが導入したくとも出来ません。

それと正直な印象は、見た目は良いけれど「品質と価格の釣り合いがとれていない」というものでした。

自分たちで考え、造るのがベスト!との再確認をしました。

しかし、私自身はまったくの不器用、とても不可能です。

その点、息子は造型作家でもあり物を造るのが専門です。

全面的に任せました。

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キチン設置場所は風呂と同じく、富士山が望める南向きの一番よい場所に決めました。

元の家では玄関になっていたところです。

従来の日本家屋ではキッチンは北側に造ることが定番です。

理由は食材が痛みにくいことです。

南側に造ると食材が痛むことに加え火を使うことから夏は暑くて過ごしにくいと言われています。

南側にキッチンをつくることは言わば日本の建築の世界ではタブーなのです。

しかし、キッチンは家庭の主婦が長時間いるところです。

そのキッチンが、太陽の陽射しがサンサンと入って明るく、

眺望も良い所なら台所仕事がますます楽しくなるのではないか?

男所帯の我が家ではありますが、料理をすることが好きな私達はそのタブーにチャレンジすることにしました。

部材の一部はIKEAのものを調達しました。

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組み立てはすべて創担当です。

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横浜との往復の時間と費用節約のため寝袋での泊まり込み作業です。

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だいぶ出来上がってきました。

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あとここにアイランドカウンターを設置すれば完成です。

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古民家再生物語 52 ロフト手すり

2011年2月22日

今回の古民家再生の見所に一つにロフト空間があります。

元の家では平屋であった部分の屋根を高くして大きなロフト&吹き上げ空間を創出したのです。

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古民家の再生設計をするにあたっては元の家を忠実に復元再生する考え方もありますが、

私は、元の家の良さを残しつつ可能な部分で大胆にアレンジして、

より快適に過ごしやすい空間創りをすることが重要と考えています。

またこのことが古民家再生の一番ワクワクする楽しいところではないかと思います。

私が「古民家再生は創造的空間創りである」と称する由縁です。

このロフトのアイディアは共同でデザインを担当していただいた

カールベンクス氏から提示していただきました。

そのロフトの手すりを造作するのは脇棟梁 楠 芳さんです。

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長年の経験で設計図を見る事なく手際よく造っていきます。
 
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2012年01月05日

古民家再生物語 51 こだわりの風呂

2011年2月8日

風呂いい気分(温泉)の設計にはそれなりにかなり拘りました。

今までいろんな所を旅してきて、行く先々で印象深い温泉宿や旅館ホテルの風呂に入ってきました。

海外のユニークなホテルバスもかなりの数体験してきました。

ちょいと大げさな言い方になりますが、

ある意味そんな体験の集大成ともいえる風呂にしたかったのです(笑)。

といっても、王様の風呂のような大きさや豪華さではありません。

やろうと思ってもとてもそんなことは出来ません(笑)。

キーワードは「快適さ:Pleasant」「くつろぎ:Relaxation]です。

はたしてどんな具合になりますやら....


まず風呂の設置場所ですが、当敷地の一番の贅沢である富士山と街の夜景が見える位置に設計しました。

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そして景観を見る為の大きな窓を設けました。

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湯船には、

物語31で紹介した伊豆現地から直接入手運搬してきた伊豆石の登場です。

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湯船はお湯の量が多く必要で大変ではないかとちょっと心配ではあったのですが(笑)、

思いきって手足が十分に延ばせる大きさにしました。

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湯船および石貼り施工は土間と同じく渡辺充さんにやっていただきました。

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実に良い仕事をしていただきました。

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風呂空間施工材料は無垢の檜材と、土間と同じブラッククオーツの組み合わせ。

内装工事はヤング楠さんの担当です。

ヒノキの清逸な香りが充満します。

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湯船の周りにはこれまた檜の厚い板を腰掛け風に張り巡らしました。

ここに徳利と盃、あるいはワイングラスを置き、一杯!!

という酒呑みの究極の世界をイメージして...(笑)。


おかげさまで、イメージしたとおりの風呂に仕上がりました。

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2011年09月15日

古民家再生物語 50 障子その2

2011年1月27日

今回の古民家再生では南側の眺望を最大限生かす為に一間大のガラス戸を4枚入れています。

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そして障子はその大きなガラスと同じサイズで、かつ雪見&月見障子にするというデザインです。

普通の建具は半間大です。

ここまで大きな障子はあまり見かける事はありません。

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今回障子製作をお願いしている所は、野沢棟梁紹介の宮崎建具という店です。

昨年末の野沢棟梁を交えた打ち合わせの時から実は宮崎さんは首を傾げて

「こんな大きな障子は作ったことがない。

殊に雪見などにするんだったら必ず変形するから止めた方がいい」

と言うのです。

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しかしここの障子デザインはこの古民家再生の中では重要なデザインポイントの1つです。

簡単に妥協するわけにはいきません。

「少々無理でもともかくチャレンジしてください」

とその場では押し切りました。

ところが、正月早々宮崎さんから直接電話があり

「やはりあの大型の障子は作れないからこの仕事から降りたい」

というのです。

では止む終えない、私の知り合いの建具屋さんに依頼するから、と電話を切りました。

そして野沢棟梁にもその旨連絡をしました。

その後二、三日して野沢棟梁から連絡があり

「もう一度宮崎建具店にチャンスをもらえませんか?
彼は腕は確かなのです。ただ慎重なタイプなんですよ。」

そして

「あの後すぐに宮崎建具店に連絡をとって話をしました。
折角、施主から新しい事にチャレンジする機会を与えてもらっているのに、断るとはどうゆうことか!
それでも職人か!!」

と久しぶりに雷をおとしたというのです。

思うに、宮崎さんは自信をもってやれない仕事は結果的に施主に迷惑をかけるかもしれない、

とのこれまた職人気質ともいえる良心的な価値観から断ってきたのでしょう。

こんな経緯を経て当初の予定通り宮崎さんに製作してもらうことになりました。

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そもそも大きな障子に拘りをもっていた私は、曲がりが少なくなるようなデザインを考え

紙の貼り方の工夫をするなどし、この課題を解決しました。

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結果的にこの大障子は大成功です。

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施工から半年建ちましたが、ノープロブレム(笑)です。




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