2009年04月30日

イタリア国際核物理研究所

2008年8月,イタリア中部からトスカーナ地方を経て北部までイタリア各地の小さな美しい村・町を訪ねる旅に出た。

旅の目的は小さな美しい町を深訪し撮影することの他に、今ひとつの目的があった。

学生時代からの友人である物理学者N氏が、イタリアで素粒子・ニュートリノの国際的な研究活動をしており、その現場を視察することであった。

このレポートをした後、町・村訪問記を記すことにする。

OPERA計画と称された日本と欧州の国際共同研究で、スイス・ジュネーブ郊外にある世界最大規模(周長27q)の粒子加速器からミューニュートリノを打ちし、730q離れたイタリアは3000m級の山々が連なるアペニン山脈の主連峰GRANSASSO頂上真下1400mに作られた巨大地下実験場で受け止め、タウニュートリノを直接検出しようという研究である。

もとより門外漢の私にはチンプンカンプンのテーマであるが、要はニュートリノに質量があることを実証し、ひいては宇宙のダークマター、宇宙創世の秘密に迫る研究との事で、実に気宇壮大なプロジェクトなのである。

アペニン山脈はイタリア半島を1350kmもの長さで北西から南東の方向に背骨のように貫く山脈であるがその中部地帯、ローマから東へ150qの地点にラクイア、GRANSASSO連峰が位置する。

GRANSASSO麓下を高速道路のトンネルが通り、ローマからアドリア海に通り抜けことが出来る。

研究所入口
国際核物理研究所入口


巨大地下実験場はこのトンネルの中間地点より迂回して入る事ができる。

むろん特別な許可がないと入る事は出来ない。

トンネル入り口1

トンネル入り口
地下実験場入口

N氏およびイタリア人の研究所所長の案内で、地下実験所に足を踏み入れる。

所長案内

トンネルとトラック

実験装置
タウニュートリノ検出装置

予期していた以上に地下空間は広く、そこには予想をはるかに上回る巨大な装置が設置してあった。

装置縦位置

機器側面

装置側面

受像装置
このキュウブ1つ1つの中に下の写真にあるニュートリノ検出用に特別に開発されたフィルムがぎっしりと積み重ねられている
フィルム

上部コンピュータ
検出機器上部のコンピュータールーム

地下風景

地下イラスト
地下実験場のイラストマップ
監視室2

♥地場
強力な磁場が発生するためペースメーカを利用している人は要注意

この巨大な装置で探るのは分子・原子よりもさらにミクロな素粒子。
それも超微細なニュートリノの世界。

データーチェック女性
検出したデータを解析する女性

巨大装置と超ミクロの摩訶不思議な世界に妙に興奮をおぼえる。




PS.
2009年4月6日OPERA計画の研究所があるラクイアで大地震が発生した。
アペニン山脈周辺では過去にも活断層(または地殻層・構造帯)地震がたびたび発生しており、今回の地震もラクイラ付近の活断層が動いた都市直下型地震と推定されている。
300人弱の死亡、3万人以上が家を失い、中世時代の面影を残す美しい街も多大な被害を受けた。
幸い研究に従事する人たちは無事であったようである。


posted by wa at 12:15| Comment(0) | TrackBack(1) | 海外