2012年06月22日

再生古民家「杣口の閑居」へのご招待 その2

土間とリビングルームの間の格子戸は梁に使われていた欅の古材で作成しました。

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柿渋・松煙・ベン柄を素材にした塗料で古色塗りを施すと雰囲気は一変しました。

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リビングルーム前室です。

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ここは元の家では書院造りの客間和室と仏間の2間で構成されていました。

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上のカットはこの空間で開催された地元の方々の句会の様子です。

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下のカットはこの古民家の一番の見所ともいえる「欅の間」です。

もとは囲炉裏のあった家族団らんの部屋で構造体が全て欅で出来ています。

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日常的にはフローリング状での板の間として使っていますが、畳を敷いてお茶会なども楽しめる様にしてあります。

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炉も切ってあります。

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床の間の床柱には特殊な仕掛けがしてあります。

どんな仕掛けか、ですって?。

それは現地を見てのお楽しみ!(笑)。

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今回の古民家再生では空間を小さく区切らず、大きな空間を創出することを目指していました。

しっかりしたガタイを作っておけば後々事情に合わせ仕切りを作ることによって如何様にも対応できます。

それに建設コストも低減出来るというメリットもあります。

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客間、仏間、囲炉裏の間そして縁側的な用途を持っていた下屋和室の4部屋を1つの空間として使っています。

贅沢といえばこれほど贅沢な使い方はないかもしれませんが、都会では出来ない事ですし、作品の展示やイベントに使うことを視野に入れての設計です。

イベントでなら優に100人は入れるでしょう。

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リビングルームの外にはデッキが設けられています。

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ここから塩山、甲府盆地、そして富士山を眺めます。

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天気の良い日にはここで朝食をとると、どんな食材も格段に美味しくなります(笑)。

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おや、先住民がデッキにやってきました。

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お邪魔にならぬよう共生です。

日が沈む夕刻のひと時は極上のトワイライトタイムです。

夕焼け、街の灯り、そして月や星を眺めながら友人達と酒を呑みかわす。

至福の時間が流れていきます。

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デッキの大きさはおおよそ100m2。ちょっとした能舞台の大きさです。

何時の日かここで夕闇の迫る中、薪能など開催出来たら最高です。


古民家を譲っていただいた数井ご夫妻が再生古民家を見に上越市から来られました。

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10年以上住む事無く放置されていた家屋がこうして蘇ったことを大変喜んでいただきました。

後日頂いた礼状には

「百有余年を経た欅の古材が長谷川様と棟梁によって新たな命を吹き込まれ、見事に蘇った姿を目の当たりにして深い感銘を受けました。
あなた様に出会わなければ、そのまま朽ち果ててしまった旧宅の甦生に、祖父もさぞかし喜んでおることと思います。ほんとうにありがとうございました。(後略)」


とありました。

嬉しいお便りでした。

次回続く。

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2012年05月21日

再生古民家「杣口の閑居」へのご招待 その1

再生古民家「杣口の閑居」が完成しました。

ご案内しますので、どうぞご遠慮なくご覧ください。

当地は、山梨県東部、塩山と甲府盆地を見下ろす山の中腹標高680mの地にあります。

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甲府盆地の向こう側には富士山が見えます。

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建物の南面遠景です。

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建物東側面外観です。

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建物正面全景です。

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さぁさぁお待たせしました。どうぞ玄関からお入りください。

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ここは土間ですが、将来ギャラリーにも使えるように広めに空間をとってあります。

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どうぞお上がりください。

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2012年04月03日

古民家再生物語 66 竣工の日

2011年4月17日

いよいよ竣工の日を迎えました。

振り返れば新潟上越市安塚の築100年の古民家を解体しはじめたのが、2009年10月29日。

あれから1年半経ちました。

土地を取得してからは3年弱。

いや、古民家再生を思い立ってから実に20年余経ちます。

よくぞここまで思い続け、実現できたものだと我ながら感心します。

誰かの言葉にありましたが、「自分を誉めてやりたい」と思います(笑)。

今日は竣工を祝って工事に携わっていただいた関係者をお招きしてのパーティーです。

まず屋内で施主の私からお礼の挨拶をし代表して野沢棟梁に感謝状を授与させてもらいました。

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少々長文の感謝状だったのですが、皆さん神妙に聞いていただきました(笑)。

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新潟からは設計デザインを担当してくれたカールベンクス氏が駆けつけてくれました。

彼の音頭と甲州ワインで乾杯です。

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野沢棟梁とのツーショット。

お二人とも晴れ晴れした表情です。

今回の現場では少々の行き違いはあったものの、大きなトラブル、事故もなく本当に気持ちのよい作業が続きました。

ベンクス氏も今まで30数余の現場を経験していますが、こんなに素晴らしい現場は今までのあまり経験が無いと言います。

天気が良いので外でバーベキューが始まりました。

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あちこちで談笑が始まります。

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どんな話題に花が咲いているのでしょうか?

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屋内ではこの1年半の工事記録をDVDで見れるように準備しました。

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画面を見ながらお二人は何を語っているのでしょうか?

酔っぱらってダウンしてしまわないうちに全員での記念撮影です。

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皆さん実に良い表情です。

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この1年半の和気藹々とした気持ちのよい現場の雰囲気そのものです。

これで終わるのかと思うと少々寂しい気がするくらいです。

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脇棟梁の楠芳さんの表情がちょっと寂しげに見えるのは私の思い過ごしでしょうか?

春の暖かい陽射しの中で宴は続きます。

かなり大量に用意した食材でしたが、皆さんかなりの食欲で、まこと、ほんに気持ちのよいほどにきれいさっぱり胃の中に治まりました(笑)。

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古民家再生物語 65 デッキの石段

2011年4月15日

デッキに上がる階段を設置します。

当初木製の階段をつける予定だったのですが、基礎を作る際掘り起こした場所からかなりの大きな石が出てきました。

これを有効活用しようとの息子創からの提案があり、Good Ideaとばかりに飛びつきました。

しかし不器用な私自身は作業を見守るだけで実際には何もできません。

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創がリーダーシップを発揮し庭にある適当な石を選別します。

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野沢棟梁、脇棟梁の楠さんらと一諸にクレーンで吊上げながらしかるべき場所に設置していきます。

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実に具合のよい石階段が出来上がりました。

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さぁ、いよいよ竣工式は明後日です。
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古民家再生物語 64 障子ばり

2011年4月8日

今回の古民家再生での内装の重要なポイントの1つに障子があります。

前にも少し記しましたが、障子は木製サッシとペアガラスの3点セットで使用することで絶大な断熱効果を生みます。

これは十数年前、横浜のマンションの内装で実際にやってみて実証済みです。

節電をはじめとしたエコ対策が何かと話題になる昨今、これは対費用効果の高いかなり有効な対策の一つです。

またデザイン上での美的な観点からも障子は世界に誇れる内装です。

谷崎潤一郎の名著「陰影礼賛」を持ち出すまでもなく障子が作り出すほのかな陰影、和てきな雰囲気と佇まい。

素晴らしいものです。

その障子に今日は和紙を貼ります。

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笛吹市の内装専門会社(有)オオタの太田浩さんが奥方と一諸に手際よく貼って行きます。

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どの分野の職人さんも同じですが、動きにまったく無駄というもがありません。

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見ていてほれぼれするような手際よさで大小の障子が次から次へと貼られて行きます。

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かなりの枚数がある障子ですが瞬く間に完了します。
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古民家再生物語 63 恵林寺の桜

2011年4月8日

待望の春がやってきました。

再生現場から車で10分ほどの所に武田信玄の菩提寺である恵林寺があります。

街に買い出しに行った際、通りがかったら桜が見事に満開。

天気は薄曇りだったのですが、かえってこのような天気の時の方が花の色は冴えます。

おもわず停車し見入ってしまいました。

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桜の満開とともに今度は桃の花が咲き始めます。

桃源郷の季節です。

長かった古民家再生の工事も竣工に向かっていよいよ大詰めです。

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2012年03月05日

古民家再生物語 62 室内塗装

2011年4月

いよいよ工事も最終段階に入ってきました。

天気の良い日を見計らって室内の塗装作業に入ります。

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室内の塗装にどのような塗料を使うかは、今回の古民家再生工事の最重要テーマの1つでした。

それは色彩デザイン上での問題であると同時に、健康上の重要問題でもあるからです。

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かって某大手プレハブメーカーに依頼して家を造った際や新築分譲マンションに住み始めた時に、そこで使用されていた塗料や壁紙の接着剤などによるシック現象に、家族が特に子供たちが悩まされた苦い経験がありました。

その当時はまだシック現象はあまり社会的な問題になっていなくて、原因が判っていませんでした。

それが塗料や接着剤に含まれるているホルムアルデヒドによるものだということが判明し、俄に社会問題化したのはそんな昔のことではありません。

それが判るまでは原因はむしろ個々人のアレルギー体質によるものと受け止め、ただ我慢をするしかなかったのです。

今にして思えば酷い話です。

その後住宅に使用する材料には一定の規制が設けられることになりましたが...。

そうそうシック現象といえば、家ではありませんが、つい最近たまたま新車のレンターカーに乗った時に目がチカチカする不快な経験をしました。

車産業では未だに規制がされていないのでしようか?

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ところで、この問題に関しては欧州はかなり早い時期から規制を設けていたようです。

特にドイツでは厳しい規制・基準を設けていて、身体に害のない自然素材塗料の研究・使用が進んでいます。

今回デザインを共同担当してくれたカールベンクスさんはこの件についての豊富な知識と経験を持っていました。

彼に共同デザインを依頼した時の条件の1つに彼の薦める塗料を使用することがあったのですが、無論私としては望む所でした。

そんなことで、彼がドイツで調達した自然素材の水溶性原材料を調合して塗装作業に入いりました。

まずロフトから塗装を始めます。

塗装の前にゴミが無いよう奇麗に掃除をします。

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次に2階部分。

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そして最後に1階部分に。

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1階のスペースはかなりの広さがあります。

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塗りがいがあります。

建具にも同じ塗料をぬります。

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真新しい無垢の木に塗るのはちょっと惜しい気もしなくはありませんが、全体のデザイン統一のために目をつむります(笑)。

このドイツ製の塗料は一度塗り終わって乾かし、再度二度塗りをします。

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この塗料は水溶性のためそのままの状態では水が付着すると剥げてしまいます。

そのため定着用のアクリル系皮膜塗料を塗ります。

これで最終的に適度な光沢をもったシックで落ち着いた色合いに出来上がります。

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この塗装作業は3月17日に始まったのですが、終了したのが4月8日。

断続的ではありましたが都合3週間かかりました。





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古民家再生物語 61 電気工事

2011年3月17日(木)晴れ

今まで工事用電気の仮配線であったものを正式に居住用の電気配線に切り替え工事が朝から始まりました。

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また西側側面では湯沸かし器等の設置も同時に進行します。

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美観を損なわぬように機械類を隠す囲いを作りました。

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こうして

着々と生活するための最終段階の準備が進みます。
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2012年01月24日

古民家再生物語 60 ストレージ

2011年3月22日

風呂、洗面所、トイレそしてキッチンと室内の造作が着々と進んでいきます。

内装もいよいよ終盤、大詰めです。

ところで、

折角素晴らしい家を造っても、家中にモノが氾濫していては興ざめです。

日本の住宅事情は狭い空間にもかかわらず物持ちであるためにどうしてもそうなりがちです。

それを解決するために、田舎の旧家では母屋と蔵が必ずといってよいほどセットで作られています。

しかし、今回の古民家再生では蔵まで移築再生することは予算的に無理。

そこで、屋内に思いきって大きな空間=ストレージ=蔵を設けることにしました。

1階の欅の間に隣接した部屋、ここは居室として使うことも検討しましたが、西北に位置することもありストレージにしました。

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ストレージに棚を作り付け中です。

新潟の旧家から出て来た欅の一枚板で作られた見事な蔵戸を1階ストレージ入り口に使いました。

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このストレージを蔵の間と名付けました。

ただしストレージの中には大したモノは入っていません。

この蔵戸が一番のお宝です(笑)。

それともう1っ箇所、屋根を上げたことによって中2階に大きな空間が確保出来ました。

天井高140〜150pと低いのですがストレージとしてなら十分です。

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使い方によっては秘密の隠れ部屋としても使えそうな面白いスペースです。

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2階ストレージ入り口に続く宙廊下。
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古民家再生物語 59 キッチンアイランド

2011年3月22日

壁面のキッチン作業台が完成した後、アイランドキッチンの作成に取りかかります。

キッチンを作っている空間は元の古民家では玄関と土間であった場所です。

台所として使用するにはかなりな広さがあります。

ですから窓際にL字型に設置した作業台だけで大きさとして十分です。

ただ、部屋の真ん中に柱があり、その柱をそのまましておくのはちょっと空間的に違和感があります。

そこで台所作業で使うと同時に食卓としても使用できるアイランドキッチンを柱を囲むように造作することにしました。

男としては料理を作るのが好きな方ですから楽しいキッチンになりそうで楽しみです。

卓上に使う木は元の古民家の書院床の間に使われていた厚い欅の材を転用しました。

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楠さんと早川さんが慎重に材料取りをしていきます。

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柱を中心にして組み立てられていきます。

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アイランドにもシンクを設置する為、配管工事も行います。

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欅の表面はまず機械で荒削りしその後丁寧に鉋がけされます。

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樹齢3、400年の欅材で、加えて100年前から使われいた古材ですが鉋がけするときれいな木目が浮き出てきて良い香りがします。

木は何百年経っても生きているんですね。

少しずつ丁寧に作業が進められ10日間ほどでアイランドは完成しました。

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素晴らしいキッチンが出来ました。

満足いく出来映えです。



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2012年01月12日

古民家再生物語 58 古民具探し

2011年3月

古民家再生の造作と並行して古民家にふさわしい調度品探しも必要でした。

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もともと骨董品や古民具が好きでしたから昔から少しずつ収集はしていましたが、今回のプロジェクトスタートにあたってはある程度まとまった数の家具や調度品が新たに必要になりました。

その調度品ですが、新品であれば割と早く調達可能ですが、古民家にふさわしいアンティーク家具をそろえるとなるとそう簡単ではありません。

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かといって、あせって買い求めてはつまらないモノを掴みかねません。

それにそんな買い方をしても楽しくありません。

まぁ、良いものに遭遇するまで気長に構えることにしました。

古民家街や古民家の撮影に全国に出向きます。

そうした旅先で骨董店や古民具店に飛び込んではモノを物色します。

私の旅の楽しみのひとつです。

そうした中で町田&八王子に良い古民具店を発見しました。

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「古福庵」です。

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品数も品質もそして価格もリーズナブルな店です。

京都や滋賀から出て来た明治時代の状態の良いアンティーク家具を幾つかわけていただきました。

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若くて美人の店長さんです。



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古民家再生物語 57 月見台デッキ

2011年3月17日

屋内の内装工事と同時に外部の月見台デッキの工事も始まりました。

このデッキの作成には反対の声もあったのですが、私にとっては絶対に必要なアイテムでした。

ちょっと大げさな言い方になりますが、誰が反対しようと必ず作ると心に誓っていたのです(笑)。

それも家の大きさに負けないかなりの大きさのデッキを!!

ある時、この思いがどこから来たのかとつらつら考えたことがありました。

記憶をたどって行くと中学生の頃図工の授業で行った桂離宮を思い起こしました。

そうだ、あの桂離宮の月見台だ、あんな台が家にあったら楽しいだろうなぁ、という印象が記憶の何処かに残っていたのでした。

桂離宮の月見台は池に向かって竹で風情のある雰囲気で作られていますが、こちらは山と街を見下ろす位置で古民家にふさわしい素朴なものにしようと考えました。

さて、工事が始まります。

まず大きさと設置位置を決め石場建てのための石を配置します。

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床材は水に強い外材の使用も検討しましたが、最終的にはヒノキの国産材を使用しました。

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野沢棟梁によるとヒノキは水にも強いしササクレしない、かつ補修するときに材料に困らないとの説明があり決定しました。

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脇棟梁の楠さんと大工早川さんが瞬く間に組み立ていきます。

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2012年01月11日

古民家再生物語 56 洗面所とトイレ

2011年3月17日

風呂の造作完了と同時に洗面所とトイレの造作が始まりました。

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工事に先立って洗面器、蛇口、ミラー、便器などを選ぶ為に各メーカーのショールームを訪れました。

当初簡単に決められると思っていたのですが、これが結果的に大変難儀しました。

トイレは世界に誇るウォシュレットトイレがあり比較的簡単に決定出来たのですが、洗面器、蛇口、小便器、収納ミラーなどはどのメーカーのショールームにいってもイメージに合うものがなかなか見つからないのです。

そのイメージというのは「シンプルでクラシックな雰囲気がベースにありかつモダンで飽きのこない」デザイン、というものです。

我ながらなかなか難しい注文ではあります。

やむなく海外のメーカーのものも調べました。

結果的に洗面所の洗面器と蛇口はドイツのDURAVIT製を、

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小便器はフランスのALLIAを選択しました。

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1階トイレ手洗い器は風呂に使用した伊豆石の残りでオリジナル洗面器を渡辺さんに作っていただきました。

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既製品に無いいい味がでていると思うのですがどうでしょうか?

それと洗面台にはアノ神代欅を使用しました。

なんという贅沢!!

こんなトイレは世界唯一でしょう(笑)!!。

2階トイレ手洗い器は旅先の岐阜で見つけた大きな陶器の盛り鉢に穴を空け、これまた野沢建設の資材置場に転がっていた欅の端材を分けていただき洗面台にし、取り付けました。

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収納ミラーはイケヤのパーツに無垢の杉板を貼ることで落ち着いた感じの仕上がりになりました。

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1、2階の洗面台下収開き戸には格子状の古建具を小さくカットして使用しています。

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2012年01月08日

古民家再生物語 55 雪景色

2011年3月7日(月)雪

牧丘地方には年に何度か雪が降るとのことです。

降ってもそんなに積もる事はなく、1、2日で溶けてしまうとのことです。

2月初旬にも少し降ったようですが生憎その時は現地にはいませんでした。

この日現地に行くと雪が降っていました。

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久しぶりに見る雪景色です。

都会に住む者にとってはたまの雪景色は嬉しいものです。

雪は半日で5、6センチ積もりました。

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雪の降る中、遠景で見る古民家再生はそれはそれでまた美しいものでした。

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夕刻には雪が降り止み、うっすらと積もった雪景色に夕陽が照り始めました。

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古民家再生物語 54 玄関敷石

2011年3月1日(火)小雨

3月になって徐々に暖かくなってきたとはいえ、冷たい小雨が降る一日。

今日は大仕事が朝から始まります。

玄関に大きな敷石を運ぶのです。

当初、敷石の計画はありませんでした。

しかし、野沢棟梁から再生古民家玄関の風格にあった石を敷いてはどうかとの提案をいただいたのです。

丁度適当な石が野沢建設の資材置き場にあるから好きなのを持って行っていいというのです。

現地に見に行くと、適当に持って行ってよいといっても巨大な石です。

ひとつ数dはあります。

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そう簡単には持っていけません。

少々迷いましたが折角の申し出なので有難くいただくことにしました。

資材置き場に古民家の古材を運搬した大型クレー車がきます。

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トラックに乗せ再生現地に運び込みます。

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現地玄関では巨石を埋め込む準備が始まります。

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再びクレーンでつり上げ玄関先に持って行きます。

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丁度良い場所にかつ水平になるように位置が決められていきます。

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事故がないよう慎重に仕事が進められます。

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一番大きなメインの石の設置が終わりました。

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次に中くらいの石を持っていきます。

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この石は現地の整地時に出て来た石の中から平面が平らな適当な石を選んで持っていきました。

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完成です。

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当初、石が大きすぎてアンバランスになるのではないかと危惧していましたがジャストフィットです。

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この大変な仕事、一日がかりくらいで行われるのかと思っていたのですが、なんと午前中で終了。

さすがプロの仕事は手際がよく感心しきりです。


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2012年01月07日

古民家再生物語 53 もう一つのこだわりのキッチン

2011年2月

風呂のこだわりに加え今ひとつのこだわりの設備があります。

キッチンです。

息子の創は今回の古民家再生プロジェクト進行と同時期に、

縁があってスコットランドにあるグラスゴーアートスクール等に

2年間客員アーチストとして留学していました。

グラスゴーアートスクールは建築や家具設計で有名なマッキントッシュが学び、教えていた学校です。

息子は海外生活の経験から合理的で使い勝手のよいキッチンを自分の設計施工でチャレンジしたい、と考えました。

参考に大手メーカーのシステムキッチンショールームも見て回りました。

いずれのショールームにもいろいろと工夫されたキッチンが展示されていました。

しかし価格を聞くと驚くような高額です。

この価格ではとてもじゃないが導入したくとも出来ません。

それと正直な印象は、見た目は良いけれど「品質と価格の釣り合いがとれていない」というものでした。

自分たちで考え、造るのがベスト!との再確認をしました。

しかし、私自身はまったくの不器用、とても不可能です。

その点、息子は造型作家でもあり物を造るのが専門です。

全面的に任せました。

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キチン設置場所は風呂と同じく、富士山が望める南向きの一番よい場所に決めました。

元の家では玄関になっていたところです。

従来の日本家屋ではキッチンは北側に造ることが定番です。

理由は食材が痛みにくいことです。

南側に造ると食材が痛むことに加え火を使うことから夏は暑くて過ごしにくいと言われています。

南側にキッチンをつくることは言わば日本の建築の世界ではタブーなのです。

しかし、キッチンは家庭の主婦が長時間いるところです。

そのキッチンが、太陽の陽射しがサンサンと入って明るく、

眺望も良い所なら台所仕事がますます楽しくなるのではないか?

男所帯の我が家ではありますが、料理をすることが好きな私達はそのタブーにチャレンジすることにしました。

部材の一部はIKEAのものを調達しました。

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組み立てはすべて創担当です。

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横浜との往復の時間と費用節約のため寝袋での泊まり込み作業です。

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だいぶ出来上がってきました。

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あとここにアイランドカウンターを設置すれば完成です。

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古民家再生物語 52 ロフト手すり

2011年2月22日

今回の古民家再生の見所に一つにロフト空間があります。

元の家では平屋であった部分の屋根を高くして大きなロフト&吹き上げ空間を創出したのです。

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古民家の再生設計をするにあたっては元の家を忠実に復元再生する考え方もありますが、

私は、元の家の良さを残しつつ可能な部分で大胆にアレンジして、

より快適に過ごしやすい空間創りをすることが重要と考えています。

またこのことが古民家再生の一番ワクワクする楽しいところではないかと思います。

私が「古民家再生は創造的空間創りである」と称する由縁です。

このロフトのアイディアは共同でデザインを担当していただいた

カールベンクス氏から提示していただきました。

そのロフトの手すりを造作するのは脇棟梁 楠 芳さんです。

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長年の経験で設計図を見る事なく手際よく造っていきます。
 
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2012年01月05日

古民家再生物語 51 こだわりの風呂

2011年2月8日

風呂いい気分(温泉)の設計にはそれなりにかなり拘りました。

今までいろんな所を旅してきて、行く先々で印象深い温泉宿や旅館ホテルの風呂に入ってきました。

海外のユニークなホテルバスもかなりの数体験してきました。

ちょいと大げさな言い方になりますが、

ある意味そんな体験の集大成ともいえる風呂にしたかったのです(笑)。

といっても、王様の風呂のような大きさや豪華さではありません。

やろうと思ってもとてもそんなことは出来ません(笑)。

キーワードは「快適さ:Pleasant」「くつろぎ:Relaxation]です。

はたしてどんな具合になりますやら....


まず風呂の設置場所ですが、当敷地の一番の贅沢である富士山と街の夜景が見える位置に設計しました。

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そして景観を見る為の大きな窓を設けました。

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湯船には、

物語31で紹介した伊豆現地から直接入手運搬してきた伊豆石の登場です。

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湯船はお湯の量が多く必要で大変ではないかとちょっと心配ではあったのですが(笑)、

思いきって手足が十分に延ばせる大きさにしました。

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湯船および石貼り施工は土間と同じく渡辺充さんにやっていただきました。

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実に良い仕事をしていただきました。

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風呂空間施工材料は無垢の檜材と、土間と同じブラッククオーツの組み合わせ。

内装工事はヤング楠さんの担当です。

ヒノキの清逸な香りが充満します。

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湯船の周りにはこれまた檜の厚い板を腰掛け風に張り巡らしました。

ここに徳利と盃、あるいはワイングラスを置き、一杯!!

という酒呑みの究極の世界をイメージして...(笑)。


おかげさまで、イメージしたとおりの風呂に仕上がりました。

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2011年09月15日

古民家再生物語 50 障子その2

2011年1月27日

今回の古民家再生では南側の眺望を最大限生かす為に一間大のガラス戸を4枚入れています。

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そして障子はその大きなガラスと同じサイズで、かつ雪見&月見障子にするというデザインです。

普通の建具は半間大です。

ここまで大きな障子はあまり見かける事はありません。

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今回障子製作をお願いしている所は、野沢棟梁紹介の宮崎建具という店です。

昨年末の野沢棟梁を交えた打ち合わせの時から実は宮崎さんは首を傾げて

「こんな大きな障子は作ったことがない。

殊に雪見などにするんだったら必ず変形するから止めた方がいい」

と言うのです。

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しかしここの障子デザインはこの古民家再生の中では重要なデザインポイントの1つです。

簡単に妥協するわけにはいきません。

「少々無理でもともかくチャレンジしてください」

とその場では押し切りました。

ところが、正月早々宮崎さんから直接電話があり

「やはりあの大型の障子は作れないからこの仕事から降りたい」

というのです。

では止む終えない、私の知り合いの建具屋さんに依頼するから、と電話を切りました。

そして野沢棟梁にもその旨連絡をしました。

その後二、三日して野沢棟梁から連絡があり

「もう一度宮崎建具店にチャンスをもらえませんか?
彼は腕は確かなのです。ただ慎重なタイプなんですよ。」

そして

「あの後すぐに宮崎建具店に連絡をとって話をしました。
折角、施主から新しい事にチャレンジする機会を与えてもらっているのに、断るとはどうゆうことか!
それでも職人か!!」

と久しぶりに雷をおとしたというのです。

思うに、宮崎さんは自信をもってやれない仕事は結果的に施主に迷惑をかけるかもしれない、

とのこれまた職人気質ともいえる良心的な価値観から断ってきたのでしょう。

こんな経緯を経て当初の予定通り宮崎さんに製作してもらうことになりました。

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そもそも大きな障子に拘りをもっていた私は、曲がりが少なくなるようなデザインを考え

紙の貼り方の工夫をするなどし、この課題を解決しました。

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結果的にこの大障子は大成功です。

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施工から半年建ちましたが、ノープロブレム(笑)です。




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2011年08月16日

古民家再生物語 49 陰影礼賛 建具制作@

2011年1月27日〜

古民家の和の風情を出すと同時に機能的な意味合いから原則として全ての窓に障子を設置する設計にしました。

和の風情でいえば谷崎潤一郎の名著「陰影礼賛」に深く共感します。

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和紙を経て拡散して入ってくる光の陰影、和み、柔らかさ。

目に優しいと同時に心を平穏にしてくれます。

機能的には、和紙で作った障子はペアガラスサッシと併用することで驚く程の断熱効果を発揮します。

これは私自身今までいろんな形体の住居で暮らしてくる中で、カーテン、アルミサッシ、ペアガラスサッシ、障子、紫外線防止シート等など試行錯誤をしながら使ってきた体験的結論です。

現在の日本で多く使用されているアルミサッシは実は熱伝導率が高く断熱効果はあまりありません。

カーテンは空気の循環を促進しかえって断熱性を低減します。

今回の再生では断熱性の高いペアーガラス木製サッシ(ドイツ製)を使用しています。

断熱的にはある意味ではこれで十分かもしれません。

しかし、前述したようにここに和紙障子を併用すると空気層がさらに加わり格段に断熱性が高まります。

そして「美」的にもなるのです。

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さてさて、前置きが長くなりましたが本題の障子の制作です。

今回の古民家再生では窓の数が多いことに加え、大型のドアなどもあり、さらにはドイツ製のペアーガラスの思いもかけないトラブルというか、制約があり四苦八苦しました。

まず発生した問題は、大型ドアに設置する建具を作るにあたって、建具屋さんが今まで作ったことがないから出来ないと断ってきたことでした。

この経緯については少々長くなりそうなので次回に期すことにしましょう。

☆関連記事:古民家再生物語 33 参照






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