2010年01月21日

住宅の寿命

日本の新築住宅の平均寿命はわずか30年。

他の耐久消費財と同じように大量生産、大量消費そして大量破壊を今も繰り返しています。残念な事です。

日本の家は木造だからもたない、欧米は石の家だから長く使える、というのは嘘です。

法隆寺は木造ですが築1300年。世界最古の木造建築です。

木造の家でもきちんとした材料と工法を使って作れば100年でも200年でも使う事ができます。

先進5カ国の住宅サイクル年数

国名 サイクル年

イギリス 141年
アメリカ 103年
フランス 86年
ドイツ 79年
日本 30年 ..... そして大量のゴミとなる。

*「平成8年度建設白書」(建設省編より)
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2009年05月29日

横浜大空襲

港町横浜。

海の見える丘、赤レンガ倉庫、古い洋館、帆船、大桟橋と巨大客船、馬車路の風情、JAZZ、中華街と横浜の魅力はたくさんあります。

流れる空気・時間も東京のそれとは違いちょっとスローでゆったりしています。

開港150年を迎え、各種イベントで賑わっている横浜。

他県の人たちからも異国情緒あふれるモダンで素敵な街、住んでみたい街として人気の高い横浜。

浜っ子達はこんな横浜が大好きです。

しかし、
今から64年前の今日、1945年5月29日。
横浜は米軍のB29爆撃機による空襲で市街地は一面焼け野原となりました。

この日に先立つ3月10日、約10万人の死者を出した東京大空襲はよくマスコミで紹介されるので知る人は多いのですが、横浜大空襲のことを知る人は地元民でも今やあまり多くありません。

64年前のこの日午前9時頃、米軍のB29爆撃機など約600機が横浜上空に現れ、おおよそ1時間にわたって焼夷弾などで市街地を爆撃しました。

投下された焼夷弾の総量は2570d。

約10万人の死者を出した東京大空襲の1.5倍にあたるという凄まじい投下量といわれています。

亡くなられた方の正確な数は不明のままらしいのですが、行方不明も含め1万5千人を超えるものと推計されています。

僕の住む港北区日吉エリアも空襲の被害にあっています。

日吉には慶応大学日吉キャンパスがあります。

実はこのキャンパスがある日吉台の地下に、太平洋戦争末期海軍が巨大な地下壕を掘り連合艦隊司令部を設置しているのですが、この施設を狙って空爆したのではないかという人もいます。

先日、この地下壕を視察してきました。

地下壕3

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2009年05月04日

まちの先生

僕はおおよそボランティア精神の希薄な人間ですが、それでも少しは何かお役に立てればと、数年前から市の生涯学習支援センターが運営している「まちの先生」という制度に登録し、ささやかながら活動をしています。

この制度については、生涯学習支援センターのパンフレットに次のように書かれています。

まちの先生事業とは:
いろいろな知識・経験・技能をお持ちの「まちの先生」が、学習活動の場に出向き、講演・指導等を行う事により大人も子供も世代を超えて、ともに学び合う環境づくりを推進していくことを目的としています。

指導をするなんておこがましいことは僕にはとても出来ませんが、今までに何度か「魅力的な写真の撮り方」をテーマにシルバーセンターや学校などにお邪魔し共に学び合っています。

先日も地区の中学校から声がかかり出かけてきました。

この中学校では3年生になると奈良・京都へ修学旅行へ行くとのことですが、旅をより有意義にするために様々な事前学習をしているのです。
基本的には生徒達がチームを組んで自主的に勉強するスタイルのようでしたが、この日はいろんな分野の「まちの先生」から学ぼうというわけです。

学校から与えられたテーマは「日本の文化に触れる」でした。

大変大きなテーマでどのようにアプローチするかいささか悩んだのですが、やはり僕にできるコンテンツは「家と写真」です。

そこで「家を文化として捉えてみるとどうなるだろう」ということを、生徒とともに考えてみることにしました。

まず生徒達にいきなり

「文化って何?」

って、大上段に聞いてみました。

沈黙。

誰からも返答はありません。

本・新聞・雑誌・TV、あるいはスローガンやキャッチフレーズなどで頻繁に目にするこのことば。

「文化」

われわれも日常的に当たり前のように使っている言葉だけど、突き詰めた概念などあまり考えないで使っていますよね。
むろん僕もそうです.

生徒達から返答が無いのも無理はありません。

そこで考えを進めるために
「文化と文明」という2つの言葉を対比してヒントにします。

「文明開化」って言葉は知っている?
と、問いかけると生徒達はもちろん全員知っています。

当地横浜市は丁度今年開国(開港)150周年。
文明開化の先頭を走ってきた街です。
様々なイベントが開催され生徒達もこのことはよく知っています。

「文化開化」とは言わないよな〜。
この違いはなんだろう?

「文明開化」の中身って具体的にはなんだろう?
とさらに問いかけると、ぼちぼち返答が返ってきます。

「ガス灯」「電気」「水道」「蒸気機関車」「電車」「洋館」そして「カメラ」・・・と、どんどん出始めます。

うんうん、その調子!!

じゃ〜「文化」で具体的に思い浮かべるものは?

また、しばらく沈黙。

昨年1000年紀で話題になった「源氏物語」は文明かい?それとも文化かい?
と誘い水を出してみる。

すると女生徒の一人が小さな声で「文化・・・」

こんな掛け合いをしながら
文化は「衣食住などの慣習や習俗、芸能など人間が自然に手を加えて形成してきた成果」
内面的・精神的な「文化」に対して、文明は「技術的・物質的なもの」
と説明を加えます。

そして僕の好きなフレーズ

「千年の文化 百年の文明」

をスクリーンに大きく映し出しさらに話を進めます。

文化は
「千年・ 蓄積・ 伝統的 ・変わらないもの ・スロー・ 古典
クラシック・ 国の個性=日本的 美」

文明は
「百年・ 文明開化 ・現代的・ 変化 ・スピード・ モダン
グローバル・ 利便性」

どちらも必要なものだけれど、ここでは少し僕自身の思い入れも込めて「文化」の話に力が入ります。

家の文化にもちょっと触れます。

文化: 家の形・デザイン ・様式・木藁紙石など自然素材・ 伝統構法
文明: 電気・ガス・水道・通信などの設備、 ガラス・セメント・合板・化学塗料、 ツーバイ法 ・プレハブなど工法

最後に
京都・奈良は千数百年の長い歴史がある都。
日本でなければ見られない、味わえない様々な文化が蓄積されている街、
オリジナリティ、アイデンティティがあるから世界中から観光客が集まる。

修学旅行は日本文化の魅力探索の旅です、と前半を締めくくりました。


後半はこの魅力的な街、そして街の人々を撮影するテクニットとマナーについて学習し、今回の「まちの先生」は終了しました。

話べたな僕だからどこまで生徒達に理解してもらえたかな〜、
少しは僕の思いが伝えられたかな〜と、振り返りながら帰宅しました。


後日、担当の先生から生徒達の感想アンケートが送られてきました。

M君
「京都・奈良の魅力と文化について知ることができました。文化と文明の違いや、京都・奈良の町の魅力など、修学旅行で役に立ちそうなことや、おすすめの場所などについても知ることができ、とても参考になりました。6月の修学旅行で役に立たせたいです。」

SRさん
「先生に写真のことを教えてもらって学んだことは写真を撮影する前には『愛情を持ってテーマを決める』こと『優れた写真には必ず人の心を動かす力がある』ことです。先生の写真を見ていると、こんな写真を撮りたい!!と思うようになってきました。」

K君
「少し自分には難しいところがいくつかありましたが、たくさんの事を聞けてとても楽しかったです。とてもきれいな写真をたくさん見れてすごくわくわくしました。とてもいい時間をすごせました。」

I君
「色々な写真などをスライドで見るのが楽しかったです。資料も見やすく京都についてもよくわかりました。写真のピントについてアングル、光など様々なことをおそわり、今まで自分が撮っていた写真がいかに平凡だったかが分かりました。修学旅行ではこの体験をいかして素晴らしい風景を上手に撮って思いでとして残したいです。」


SKさん
「写真を撮るときのコツや壺など普段では教えてもらえないことや知らなかったことをたくさん学びました。先生が撮った写真で特に印象に残ったのが、最初は少しムスッとしていた人が、あとのほうには笑顔になっている写真です。写真を通じてコミュニケーションもとれるんだと思いました。」


生徒諸君は、それなりにしっかり受け止めてくれたようです。



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2009年03月31日

街の景観について その3 「チャールズ皇太子の十戒」

ダイアナの事故死でなにかと不人気のイギリス皇太子チャールズではあるが、リベラルな発言・行動の持ち主で、我が国の皇族とは違い、自分の考えや思想を発信し行動している。

たとえばチベット問題に長年関心を持っておりダライ・ラマと交流する一方で、中国に対し辛辣なことばを投げかけている。最近では昨年の北京オリンピックにあたり、世界の要人でいち早く一切の式典・競技に出席しない旨を表明している。

また有機食品の提唱者であり、所有する別荘で自ら有機農法を実践し、有機食品会社のオーナーでもある。

加えて、歴史的建造物の保存や都市景観の問題に殊の外関心が深く、伝統的なイギリスの建物や風景が次々と壊されていくのを見て、このままではイギリスが滅びてしまうと感じ、1986年次のような美を取り戻すための十の戒めをまとめ著書およびTVで訴えた。

1、場所:風景を蹂躙するな

2、建築の格付け:建築の基本原則を大切に

3、尺度:少ないものほどよい。多すぎても不十分

4、調和:他と響き合おう。聖歌隊ととも歌え、合唱に逆らうな

5、囲い地:その場所をかけがいのないものにしよう。子供達に安全な遊び場を用意し、風はどこか別の場所に吹かせよ
木陰
6、材料:それがある所にあらしめよ

7、装飾:むき出しの輪郭はいただけない。細部を豊かに

8、芸術:置かれる場所を考えて。ミケランジェロは前庭にぽつんとただひとつ立つ抽象彫刻をつくる依頼など受けたことはなかった

9、看板と照明:公共の場所に粗悪な看板を立てるな

10、コミュニティ:家を建てる時は、そこに住むことになる人の意見を聞け
     
   「英国の未来像 Visions of Britainー建築に関する考察」より
エジンバラ遠景
このチャールズ皇太子の近代建築批判に対し、フォッグス史観の前衛的建築家達は美の強制と反発したが、彼の「我々は美なしに生きることができない」という思想が、BBC放送で取り上げられ国内外で反響を呼んだ。
イギリス割れ窓
日本でも、我が国を代表する著名な建築家、フォッグス史観派建築家の頭目である(らしい?)磯崎新氏も反発した一人であるという。

私個人としては、チャールズ皇太子に対し興味も親近感も感じないが、彼の建築「十戒」には共感する。

一方、磯崎新氏設計の建築物は今まで何カ所か見ているが、合唱に逆らい、明らかに景観を蹂躙し壊していると感じる。

「割れ窓」作り出している一人であると思う。



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2009年03月30日

街の景観について その2「トーリー史観とホイッグ史観」

トーリー&ホイッグは、元来英国史の概念で、1670年代の英国の2大政党の名前。

トーリー党は現在の保守党の前身、ホイッグ党は現在の自由党の前身である。

ホイッグ史観とは、トーリー党より政治的に優位だったホイッグ党が、自派に有利な歴史記述をしたことに由来する。
歴史を進歩の味方/敵という対立概念で描き、「成功している者」や「繁栄している現体制」を歴史的必然とし、そこに至る進歩的、進化的、合理的、直線的、連続的な過程として読み替えてしまう、いわば勝利者による「正統」史観ともいうべきもの。

日本は明治維新後、このホイッグ史観に多大な影響を受け、日本の国家体制を欧米化し、富国強兵に走り、一方で我が国の伝統的文化を軽視してきたといえる。

トーリー史観は、逆の保守的史観である。

さてこの事を建築の世界に読み替えてみると

ホイッグ史観では
●建築は時代を追って進化し続ける
●現時点の建築が文明の最高の到達点を示す
●排他的な現状肯定
●近代建築の特質(合理主義、機能主義)が招く「美学の貧困」
●近代建築確立時点(1930〜1960年)での建築史観

一方
トーリー史観では
●建築は一直線に進化するものではない
●時代の様式は、一時代で死なない
●時代の様式はすたれてはしても、また生き返る
●新しく見える表現にも必ず原典が存在する
●過去の様式は現在を築くための捨て石ではない
   (武蔵野美術大教授 松葉一清氏 講演レジュメより抜粋)

私は人生の価値観としては自由主義的だし、創造的革新はおおいに必要と考えている。また社会は進化していくものと思いたいが、こと街の景観や建築・家造り様式においては、ホイッグ史観に組しない。

現在日本の都会・街・町村の景観が目に余る悲しむべき状況になっているのは、意識的にせよ無意識的にせよ、結果的にこのホイッグ史観による建築物があまりにも多く造られていると思うからである。

そしてその大きな要因・背景として、日本の大学での建築学教育はほぼ全てこのホイッグ史観による教育内容で成り立っており、日本の伝統的建築工法や木造建築の教育などはほとんどなされていないと聞くにおよび、唖然とすると同時にさもありなんと妙に納得するのである。

障子



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2009年03月29日

街の景観について その1「割れ窓理論」

町並みや民家を撮影している私にとって町・村・都市の景観は重大な関心事のひとつだ。

日本各地を旅して思う事は、経済的に豊かであるはずの我が国各地の町並みが何故もこうまで雑多で醜悪な景観になってしまっているのかということである。

海外に撮影に行く機会も比較的多く、今まで世界中の町並みを視察し撮影してきたが、欧米諸国はいうまでもなく、我々が発展途上国と称している国であっても日本よりはるかに美しい街造りに成功している例は少なくない。

翻って、我が国の先人たちが造った街、村の景観はどうか?

残念ながら戦後ことにバブル崩壊以後かなり壊されてきてはいるが、遷都1300年を迎える京都は世界に誇れる街だし、同じく京都郊外美山町の茅葺き集落、江戸時代の宿場町の風情を残す福島の大内宿や長野の妻籠宿、奈良の今井、あるいは世界遺産に指定された白川郷など優れた景観を維持しながら個々の家を造営している。

白川郷

かろうじて残るこうした町、村を観ると日本人は町造り家造りに技術はもちろんのこと優れた感性と美意識を持っていたことがわかる。

この感性、美意識はどこに消えてしまったのだろうか。

DSC_0541.JPG

先日、このことをテーマにしたセミナーに参加したところ興味深い話題があり深く共感したので記しておきたい。

「割れ窓理論」Broken Windows Theory

割れ窓理論とは、アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリング博士が提唱したもので、1枚の割れた窓ガラスを放置すると、割られるガラスが増え、その建物全体が荒廃し、いずれ街全体が荒れてしまうという理論。

ひとつの無秩序を放置することで、地域社会の秩序維持機能が弱まり、犯罪が増加するというもので、小さな芽のうちに摘む事が大切と説いている。

犯罪の多発するニューヨーク市では、この理論を実践し、割れ窓や落書きの一掃を集中的に実施した結果、大幅に犯罪を抑止したことで注目されるところとなった。

これを我が国の街並に読み替えて考えてみると

最近のTV報道番組で話題によく出てくる「ゴミ屋敷」や「無法ゴミ置き場」。
これは紛れもなく街の「割れ窓」だ。
地元住民や行政が見て見ぬ振りをしてしまうところから荒廃が始まる。

あるいは、
昨今全国各地で見られるシャッターが降ろされたままの店が多い閑散とした商店街。
1枚のシャッターが閉じられたときに手をこまぬいていると、瞬く間にすべての店が閉店の危機にさらされる。

さらには
建築基準法を守りさえすればどんな家を建てようと自由だとばかりに、全体の景観を無視して身勝手な建物を設計・建築する建築家や施主。
これも「割れ窓」だろう。

C.W.ニコル氏がいつぞやのTVインタビューで
「土地はあなたのものかもしれないけれど、景観は我々のものだ」
と静かに語っていたのを思い出す。





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2009年03月02日

弥生(3月)いよいよ春到来

弥生(3月)いよいよ春到来です。山茶花に変わり椿、沈丁花が咲き始めました。沈丁花の良い香りがします。古民家探索の季節です。
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2009年02月23日

お引越し

サイトを引越して、新しくブログを始めますexclamation
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