2010年12月26日

古民家再生物語 34 井戸

2010年11月1日(月)〜8日(月)

水の供給をどうするか?

これは大きな問題です。

現地では約200m離れた所まで水道管が来ています。

そこから自費で水道管を引き利用するか、今一つの選択は井戸を掘り水を確保するか、です。

いろいろ情報を集め、近所に住む野沢棟梁(井戸を使用)の意見も拝聴し検討しました。

結論は井戸を堀り水を確保することにしました。

理由は

1、後背地に山があり豊かな地下水脈がありそうなこと
2、夏冷たく冬暖かい井戸水の魅力
3、コスト

の3つです。

葡萄畑に蒔かれている残留農薬がちょっと心配ではあったのですが、粘土層が厚いから大丈夫だろうとのこと。

いずれにしてもこれは厳密な水質検査をして確認することが必要です。

採掘場所は建物の北西側。

工事は11月1日(月)にスタートしました。

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掘る深さは50mから60m、1週間から10日位で水は出てくるだろうとの計画です。

しかし、これで出てこなければ100mになるか、200mになるか!?

まぁ、一種の博打ですね、これは・・・!

もっともそんなに掘ったら完全に予算オーバーですが(笑)!!

採掘をしてもらうのは地元山梨市の山口ボーリング。

作業をするのは広瀬泰男さん、塩山出身64歳。

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この道35年の大ベテラン。

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なんと今までに掘った井戸は2000本!!。

深さ1500mもある温泉なども掘った経験があるとのこと。

凄いなぁ〜。

さて、肝心の井戸水ですが、

20〜30mはまったく水無し。

粘土層が47mまで続き、50mでようやく水が出始める。

その辺りから砂礫混じりの柔らかい花崗岩になってきたとのことです。

さらに掘り進めると丁度62m50pの深さで豊富な地下水が湧き出始めました。

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噴出量は1分間当たり60リットル。

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十分な量とのことです。

さすが、プロ。

ほぼ当初の見通しどおりでした。

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古民家再生物語 33 木製サッシ

2010年10月28日(木)雨

7月末にドイツに発注した木製サッシが船便で横浜着。税関を通過しようやく26日(火)に山梨の現地に到着しました。

この木製サッシはドイツ北部ブレーメン近くにあるWINTER HOLZBAU GmbH社で製造しているもので、ベンクス氏推奨のサッシ。

WINTER HOLZBAU GmbH社のサイト http://www.winter-holzfenster.

日本では圧倒的にアルミサッシが多いのが現状ですが、折角壁に断熱材を入れ窓にペアガラスを入れても熱伝導の良すぎるアルミサッシでは断熱効果は著しく損ないます。

今回の再生工事では当初から壁にウールおよび古紙使用の断熱材を入れ、窓はペアガラスの木製サッシ入れる計画でスタートしました。

日本でも新潟三条市で木製サッシを作っている組合があり、製品の情報入手をしました。が、私の廻りに使用実績がなく採用にいたりませんでした。

一方、ドイツの木製サッシはドイツ国内の厳しい基準のもとで作成されており、かつベンクスさんが過去十数年にわたり約40棟の使用実績を通して優れた製品であることが実証されていました。

無論、私自身も現物を幾度となく見ており全面的な信頼を置き発注しました。

その木製サッシが3ヶ月を要して海を渡りようやく納品されてきたのです。

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ドイツ製木製サッシは、品質は無論のこと色といいデザインといい期待通りの申し分の無い物でした。

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しかし、1つ大変なトラブルが発生したのです。

スライド窓と観音開き窓の2種類の窓を発注したはずが全ての窓が観音開き窓で納品されてきたのです。

窓内側には基本的にすべて障子をいれる設計になっています。

観音開きでは障子をはめることが出来ません。

一大事です。

国内の製品ならすぐにでも対応出来ますが、遠い海外で作り運ばれてきたサッシです。すぐにどうなる、とおいうわけにもいかない。

ここまで、何の問題もなく順調に工事は進んできたのに・・・。

なんで又こんなに大事なところで、トラブルが!・・・。

正直、あせりました。

即、ベンクスさんに問い合わせします。

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このトラブル顛末はいずれどこかのパーツで紹介しましょう。

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古民家再生物語 32 合併浄化槽&屋内塗装

2010年10月19日(火)晴れ

夏の記録的な猛暑もようやく終わり、爽やかな秋風が吹く良い季節なってきました。

現場の周辺はぶどう畑が多いのですが、所々に自家用の水田があり稲刈りが始まっています。

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最近では見かけなくなってきた天日干しをしています。

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棚田での減農薬手作り、そして天日干し。

さぞかし美味しいお米なのでしょうね!!。

さて、再生工事減では今日は水廻りの打ち合わせです。

市役所の下水道担当部署と合併処理浄化槽設置の打ち合わせを現地で行います。

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どの位置にどの程度の大きさの浄化槽を埋め込むか?

市水道課の担当の芳賀さんは実に慎重かつ丁寧に確認事項を打ち合わせていきます。

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屋内では塗装作業です。

このプロジェクトスタート時の方針の一つに「自ら再生工事作業に参加し楽しむ」ということがあったのですが、実際に素人が参加出来る作業は塗装くらいしかありません。

しれも高所は危険で無理。

ともあれ、脚立に乗って届く範囲を塗ることにしました。

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塗料はもちろん自然素材の塗料です。

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ベンクス氏がドイツから取り寄せた自然素材塗料です。

ヨーロッパ、中でもドイツは塗料など建材が人体や環境に悪い影響を与えないように厳しい基準を設けています。

日本でも最近ようやくシック現象や公害にならないような塗料が開発されつつあるようですが、実態はかなり遅れているのが実情です。

外は気持ちのよい秋日和。

昼の休憩時間。

再生現場屋内には爽やかな秋風が舞い込みます。

そんな中、大工棟梁の楠さんが昼寝中です。

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2010年12月20日

古民家再生物語 31 伊豆石=2000万年

2010年10月12日(火)曇り時々晴れ

今回の古民家再生工事のコンセプトの1つに自然素材を使うことにこだわる、という方針がありました。

また、その自然素材は出来る限り自分の目で見て納得出来るものを選択したいと思ってスタートしました。

そんなことで機会があればその素材の産出現地を訪れ、直接素材に接し、説明を受け勉強できればとも考えていました。

さて、具体的には風呂をどのような素材で作るか?です。

上記の観点からユニットバスは対象外です。

候補は「木」か「石」です。

いろいろと迷い悩んだのですが最終的に石で造ることにしました。

それは「伊豆石」という風呂には最適な素晴らしい石が伊豆地方に産することを以前本を読んで知っていたからです。

ところがこの伊豆石、何軒かの石屋さんに問い合わせても取り扱っている店がなかなか見つかりません。

伊豆石は江戸時代頃から建築物の素材として広く使用され産出量も多かったようですが、最近では輸入石に押され取り扱っていないのでしょうか?

石の世界でも木材と同じように国産材は劣勢に立たされているのでしょうか?

インターネットでも探します。

ようやく1軒の採掘会社を見つけました。

伊豆韮山にある東海採石興業(株)という会社です。

問い合わせたところ、採石現場を見学させていただけるとのことです。

早速、現物を見るために伊豆韮山へ車を飛ばします。

説明をしていただいたのは社長の渡辺英彦さんです。

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現地には採石場がありました。

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露天掘りです。

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上のような大きさで採石して、採石場に隣接する工場で一定の大きさ仕様にカットしていきます。

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渡辺さんの説明では、「伊豆石」はおおよそ2000万年前海底火山から吹き出した溶岩と火山灰が堆積圧縮した岩がプレート変動によって海底から隆起してきたもので、この地方の特定の場所では地表から数メーツル掘ると出てくるとのことです。

江戸時代から珍重されかってはかなりの数の採石場で採石されていたとのことですが、現在では渡辺さんの現場1軒しかありません。

現場周辺は自然保護のために新たな採石場の開発は許可されないとのことでした。

渡辺さんの説明は続きます。

伊豆石の特徴は

1、水にふれると鮮やかな「浅葱(あさぎ)色:薄い藍色」に変化し風呂場の風情にぴったりなこと
2、石の表面に気泡の穴が空いていて濡れても滑りにくいこと
3、海水に含まれていたミネラルが溶け出し、遠赤外線が豊富に出ること
4、柔石で加工しやすく、コンクリートとの相性もよく作業性が高いこと
5、日常の手入れが簡便なこと

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乾燥した伊豆石

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水にぬれた伊豆石。これが「浅葱(あさぎ)色」

思っていた以上の伊豆石の特徴、魅力です。

改めて納得し、使用決定です。

その場で必要量を計算し、カットしていただきました。

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おおよそ330キロの石を丁寧に車に積み込み山梨に運びます。

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「2000万年前か!」

「2000万年前の悠久の湯に浸かれるのか!!」

「それに浅葱(あさぎ)色の湯、これこそロマンだなぁ!!!」

こんなことを一人想いながら、まるで貴重な宝石を運ぶような気分で採石現場を後にしました。
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古民家再生物語 30 設備工事

2010年9月30日(木)雨

基本的な構造体が出来上がり内部の造作と設備工事のプロセスに入ってきました。

まずは室内の梁や柱など木部の塗装と電気設備のための配線工事です。

全体の進行の段取りがあるため配線工事は手早く実施する必要があります。

ところが配線をするためには何処でどの様な電気設備うを使うのか、すなわちどのような生活パターンを想定しているのかを決めねばなりません。

なんとなく大雑把なイメージは持っていたものの、どんな家電製品を使用するのか?どこにどのような照明をつけるのか?コンセントはどこに?などなど具体的に決定しなければ工事はスタートできません。

大急ぎでインターネットで器具を調べたり、家電メーカや照明器具メーカーのショールームに足を運び、製品をチェックします。

そしてその足で現場に行き打ち合わせです。

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今までなんとなくのんびり工事の進捗状況を見ていれば良かったのですが、俄に慌ただしくなってきました。

電気配線工事を担当してくれるのは若き技術者古屋さんです。

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実に熱心な好青年で、同世代の息子と共に遅くまで現場に残って綿密な打ち合わせをし作業を進めてくれます。

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こんな慌ただしくなってきた現場にこの地方の名物「巨峰」が届けられました。

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作業の合間に摘んで食べては英気を養います。

通常、現場作業の時間は朝8時からスタートして夕方5時に終了します。

しかし、この頃から時間を延長して工事を進めなければならない内容も出てきます。

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夏は過ぎ秋の気配が出始めた現地。

陽が暮れるのもだんだん早くなってきました。

夕闇の中でまだ現場の作業は続きます。

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